セフゾン 100mg (抗生物質) |
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・概説 |
細菌を殺菌する薬。
細菌が原因のいろいろな病気に用いる。 |
・作用 |
【働き】
感染症は、病原微生物が人の体に侵入し悪さをする病気。腫れや発赤、痛みや発熱などを生じ、人に苦痛をもたらす。
病原微生物には、細菌やウイルス、真菌(カビ)などが含まれるが、この薬が有効なのは“細菌”による感染症。グラム陽性菌をはじめ、グラム陰性菌の多くに有効。病原菌が死滅すれば、腫れや痛みがとれ、熱のある場合は解熱する。
いろいろな細菌に有効なので、呼吸器や耳鼻科領域を中心に各科で広く使われている。のどの痛みや発熱をともなう“かぜ”にも処方される。本来、インフルエンザを含め一般的なウイルス性の“かぜ”には無効なのだが、細菌による二次感染時やその予防のために用いることがある。
【薬理】
細菌の細胞壁の合成を抑えることで、殺菌的に作用する。 |
・副作用 |
わりと多いのは「下痢」。とくに小さい子供は、便がやわらかくなりやすい。これは、抗菌作用により、腸内細菌のバランスが乱れるため。軟便くらいなら、心配いらないが、ひどい下痢が続くときや血便がみられるときは受診する。
人によっては、小さいブツブツした「発疹」ができる。ときに、発熱をともなうこともある。この場合、いったん服用を中止し、医師の指導を受ける。ショックに至るような重いアレルギー症状(アナフィラキシー)を起こすことはまずないが、万一、ひどい「じん麻疹」ができたり、顔や口が腫れてゼーゼーするときは、すぐに受診する。
そのほか重い副作用として、腎不全、血液障害、大腸炎、皮膚障害の報告もある。これらは、きわめてまれな副作用だが、とくに高齢者、長期服用時に注意が必要。
【重い副作用】・・・めったにないが、初期症状等に念のため注意。
アナフィラキシー・ショック・・・じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、息苦しい(ゼーゼー)、冷汗、顔が白くなる、手足のしびれ、脈が弱い、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
急性腎不全・・・だるい、吐き気、むくみ、尿の濁り、血尿、頻尿、尿が少ない・出ない。
重い血液成分の異常・・・発熱、喉の痛み、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や歯肉出血など出血傾向。
大腸炎・・・激しい腹痛、下痢、発熱、血液便、下血。
重い皮膚症状・・・高熱、ひどい発疹・発赤、唇や口内のただれ、のどが痛い、水ぶくれ、皮がむける、強い痛み、目の充血。
間質性肺炎・・・から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
肝臓の重い症状・・・だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。
【その他】
発疹(小さな赤いブツブツなど)、じん麻疹(プックリと赤く腫れる)
軟便、下痢、腹痛、吐き気
長期服用で、菌交代症(口内炎、カンジダ症)やビタミンK欠乏症(出血傾向) |
・特徴 |
セフェム系の第2世代の抗生物質。グラム陽性菌のほか、大腸菌やインフルエンザ菌などグラム陰性菌に強い抗菌力を発揮する。ただし、緑膿菌には効果がない。
副作用の少ない安全性の高い抗生物質。ショックなどのアレルギー症状もペニシリン系に比べれば少ない。
カプセルのほか、子供向けのシロップ用細粒がある。 |
・注意 |
【診察で】
アレルギーを起こしやすい人は、必ず医師に伝えてる。
今までに薬を飲んで発疹などアレルギー症状を起こしたことのある人は、その薬の名前を医師に教える。
喘息、じん麻疹、腎臓病など持病のある人は、医師に伝える。
服用中の薬は、医師に伝える。
【注意する人】
この系統(セフェム系)の抗生物質で、じん麻疹などアレルギー症状を起こしたことのある人は用いない。
喘息やじん麻疹などアレルギー性の病気の人は慎重に用いる。腎臓の悪い人、高齢の人も副作用がでやすいので、服用量、服用間隔などに配慮必要。
【飲み合わせ・食べ合わせ】
貧血の薬の鉄剤と同時に飲むと、この薬が吸収されません。3時間以上間隔をあけて飲むようにしましょう。
【使用にあたり】
決められた飲み方を守る。症状、年齢、製剤によって用法用量が異なる。症状が重いときは、多めになる場合もある。
一般的には、1日3回、毎食後に飲む。
錠剤は、コップ1杯ほどの十分な水で飲む。子供用の細粒(ドライシロップ)は、ふつう、1包を適量の水で溶いてから飲む。大きい子供は、そのままでもかまわないが、多めの水で飲ませる。
指示された期間続ける。症状によっては、少し長くなるかもしれない。自分だけの判断で止めると、再発したり治りにくくなるおそれがある。
ふつう、3〜4日も飲めば治ってくるが、効果がなかったり、かえって悪化する場合は、早めに受診する。
【その他】
尿の色が赤みがかることがある。また、粉ミルクや経腸栄養剤といっしょに飲むと、便の色が赤くなる事がある。これらは、薬の色なので心配はない。
下痢の予防に、乳酸菌の整腸薬と併用することがある。
尿糖検査が不正確になることがある。
【備考】
抗生物質の効きにくい細菌が増えています。ある調査によると、中耳炎を起こす肺炎球菌の7割が抵抗力を持っていたそう、このような耐性菌を増やさないため、欧米では抗生物質の安易な使用は慎まれている。
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・効能 |
【カプセル】
<適応菌種>
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリス、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属、アクネ菌。
<適応症>
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症
外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍
咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎
膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、バルトリン腺炎
子宮内感染、子宮付属器炎
麦粒腫、瞼板腺炎
外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎
歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎
【細粒小児用】
<適応菌種>
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌
<適応症>
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症
咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎
膀胱炎、腎盂腎炎
中耳炎、副鼻腔炎
猩紅熱 |
・用法 |
【カプセル】
通常、セフジニルとして成人1回100mg(力価)を1日3回経口服用。なお、年齢及び症状に応じて適宜増減。
【細粒小児用】
通常、小児はセフジニルとして1日9〜18mg(力価)/kgを3回に分割して経口服用。なお、年齢及び症状に応じて適宜増減。
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