痔瘻(じろう、痔ろう、蓮痔、穴痔)の場合 |
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【切開開放術】 |
慢性化してしまった痔瘻(じろう、痔ろう、蓮痔、穴痔)では、痔瘻の管を全て摘出してしまう「切開開放術式」が一般的です。
「切開開放術」は、瘻管(膿の管)を取り除く手術法です。
膿の関連箇所全体を摘出しますので、再発も少ない手術法です。
瘻管(膿の管)を摘出した後は、切り取った部分の肉が自然と盛り上がって来るのを待ちますので、約1ヶ月程度の期間がかかります。 |
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【肛門括約筋温存術(くりぬき法)】 |
痔瘻の状態によって「肛門括約筋温存術」も行われます。
この痔の手術方法は、肛門括約筋の損傷を最小限にとどめて痔瘻を取り除く方法で、膿のトンネルが皮膚の深い位置にあったり、浅くてもトンネルがおなか側や側方にある場合に、瘻管のすべてを切開し開放するのではなく、部分的に瘻管を取り除く手術法です。
瘻管(膿の管)の出入り口を切除しますが、残った痔瘻の管は自然になくります。
瘻管が深い位置を走る複雑な痔瘻(3型、4型) または浅い痔瘻であっても、切開開放術とすると肛門の変形を生じやすい痔瘻に行ないます。 |
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【シートン法(瘻管結紮術)】 |
痔瘻の瘻管(膿の管)に糸状のゴムを通して、そのゴム糸を数ヶ月かけて徐々に締めていくことで、ろう管を徐々に開放する方法。
シートン法は括約筋の離断を防ぐので、肛門変形の少なさを目指せる手術法です。
根治性があリますが、ゆっくりと時間をかけて行ないますのでシートン法は時間がかかります。 |
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【手術の合併症】 |
(1)術後出血
内痔核の手術で最も多い合併症は出血です。
肛門は血行の豊富な部位ですので、縫合したところが切れて出血したり、血管結紮をした糸が便の通過による物理的な原因ではずれたりすることもあります。
出血が多い場合には、手術室で麻酔をかけてもう一度血管結紮を行わなければなりません。
術後の便秘で、固い便が出たときにこのようなことが起こりますので、便を軟らかくしておく必要があります。
紙に付く程度の出血は全く心配ありません。
痔核の一般的な手術はたいていキズはオープンですから排便時に少しは出血があります。
(2)排便時の痛み
肛門は敏感な部位ですので、排便時にクズの痛みを訴える人はけっこうあります。
ウオッシュレットによる洗浄、ヒビテン液による消毒を頻回に行うことによりキズを清潔に保つことが大切です。
(3) 肛門狭窄(狭くなる)
手術のキズが大きかったり、キズが感染したりすると肛門が狭くなることがあります。
肛門ブジーというものを用いて少しずつ肛門を拡げていきます。
(4)手術創部(キズ)の腫れ
外痔核を併発している人は術後にキズの腫れを起こすことがあります。
手術前より腫れることもありますが、座薬や軟膏の使用、肛門を清潔に保つ事により数週間でよくなります。 |
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