手術 直腸脱

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直腸脱
直腸の粘膜と筋層が一緒に肛門外に脱出する状態をいいます。
子供でもごく稀に見られますが、ほとんどは高齢者で、加齢と共に肛門括約筋が弛緩(ゆるむ)する事により直腸が脱出して来ます。
「脱肛」と混同されがちですが、「脱肛」とは内痔核の第4度の別名で直腸脱とは別のものです。
脱出する直腸の長さは3〜4cmからひどい人になると20〜30p脱出する場合もあります。
子供は自然治癒が有り得ますが、大人の場合は手術しないと完全には治りません。
 
直腸脱の手術法
高齢者の直腸脱の手術法は、開腹術をすると体にダメージが大きく、術後に腸閉塞などの合併症を起こす可能性もあります。
【Gant-三輪法(直腸脱絞り込み縫縮術)】
脱出する直腸粘膜と筋層に針・糸を掛けて大豆大のコブを何十個(普通は20〜30個)も作ります。
すると、しだいに直腸が絞り込まれて短くなって肛門内におさまる様になります。
縫う糸は合成吸収糸なので抜糸の必要はありません。
麻酔は腰椎麻酔(下半身麻酔)か局所麻酔で行います。
手術の負担はごく軽いので、術後の痛みもほとんど無い手術方法ですが、以下のような欠点があります。
再発率が20〜30%あります。
手術後も同じ様に強くいきむ習慣を続けますと4〜5年後に再発の可能性があります。
再発しても以前よりは小さくなっている事が多いですが、再手術となります。
この手術の良い点として、再発してもやり直しが効くという事です。
開腹術の場合は体への負担が大きく、術後に腸閉塞などの合併症・腸の癒着などの心配があります。
 
【Thiersch法(肛門括約筋形成術)】
弛緩した肛門括約筋を形成して、肛門を正常サイズに戻す手術です。
そのために、内肛門括約筋と外肛門括約筋の間にシリコンチューブを埋め込んで肛門を取り囲み締めるようにします。
シリコンチューブの代わりにナイロン糸や筋肉の腱膜を使ったりする場合ももあります。
        
 
 
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